ニュースアプリ業界について伺った前編とはテーマをかえ、梅木さんが運営されている、会員数300人突破のFacebookの限定有料グループ「Umeki Salonの戦略についてお伺いしました。インタビューを通して、サロンという新しいメディアの可能性が見えてきました。
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メディアよりサロンの方が個人でやるには儲かる 

大熊 「Umeki Salon」は著名人を巻き込んでいてうまいスキームだと思います。同分野で他にやっている人はいないですよね。始められた背景を教えてください。

梅木 先ほどGunosyで1PVあたり1円儲けられると美味しいと言う話をしましたが、とはいえそれだけに頼って生きていくことはできないです。書き手としていろいろなところに出してリスクを分散する必要があります。
それと同時に、個人で食っていくことを考えた時にメディアをやるよりもサロンをやった方が高価値で儲かると考えました。

BLOGOSなどを使って有料メルマガをやっても、4割は中抜きされますし、読者数も限られます。

一方サロンはコンテンツに加えてコミュニティの価値もあるため、リーチも広いし、Umeki Salonでは月額1,000円会員と2,000円会員がおり、平均すると月額単価は約1,300円となっています。
 

「玉置さんでいけるなら俺もいけるのでは」

大熊 「Umeki Salon」のコンセプトはまったく一から創りあげたんですか?


梅木 もともと、モデルケースは存在しました。玉置沙由里さんという、野村総研を辞めて「ノマド」をやっている方がいて、「スナックのママみたいなことをやりたい」と言っていまして。
玉置
(玉置さんのオフィシャルブログ 現在は更新がない)

5,000
円を払ってくれたら玉置さんのブログ記事のクレジットに名前が載せてもらえるとか、月1,000円払ってもらったらグループに招待して朝8時からおしゃべりしましょう、とか平たく言うとファンビジネスをやっていたんです。これで110人まで会員を集めたようで、「玉置さんでいけるなら俺もいけるのでは」と思いました()

最初は知り合いなども含めて30人ぐらいでスタートして、ブログに書けない内輪ネタを書き、それをベースにコメントで盛り上がる場所として使っていました。そこから徐々に口コミで広がっていって、100人までは半年間で、200人までもう1年かかりました。その後だんだんネタが尽きてきて会員数の伸びも鈍化したため、頑張って大物ユーザーを引っ張った結果、20147月中には300人を超える見込みです。Gunosy代表取締役木村氏など、大物のコメント力で、場力が格段に上がったと実感しています。

大熊 コンテンツに飽きて辞めてしまう会員もいるんですか?

梅木 退会リスクを減らすために施策を打っています。 月に数人ずつやめていたんですが、オフ会を開くようになってから減りました。やはり顔を合わせることは重要だなと。同じ月の入会者とか、参加者のレイヤーで分けてグループを作り、食事会を開いたりしています。
 

ありそうでなかったコミュニティ

大熊 現在はビジネスSNSに近い役割も果たしていると聞きます。参加者にはやはり起業している人が多いんでしょうか。

 

梅木 そうですね。起業している人がおよそ3割から4割です。今3年目ですが、M&Aについて話し合われる現場にもなっていますし、スタートアップがリクルーティングする場としても使えます。

大熊 今までそういったコミュニティはありそうでなかったんでしょうか。スタートアップ界隈の人たちってみんな仲良くないんですか?

梅木 オフラインではリアルサロンのようなコミュニティはあるようですが、非常に排他的で新しい人をオープンに受け容れる文化ではない気がします。コミュニティに属さない起業家の方が全体で見ると割合は多いでしょうし、オンラインコミュニティという緩やかな綱がりという点では、あまりなかったのかもしれません。

質を保つための容赦ない工夫

大熊 ありそうでなかった、盲点をついたサービスなんですね。会員拡大によって、コミュニティの質を保つのは難しくないですか?


梅木 最近の会員数激増に伴い、元々の知り合いでない人が8割ぐらいを占めるようになりました。なので、その対策はいくつか打っています。
誰かがアップした記事に対して、ピントをずれたコメントばかりしてくる人もいたので、そういう人には裏でメッセをして、外れてもらうようにしました。
会員のクオリティによって課金額も分けていて、Facebookの私の共通友人が10人未満の人は月額2000円の会員、10人以上の人は月額1000円としています。LINEの田端さんなど、サロンの価値を高めてくれる大物については無料で招聘しています。

ゆくゆくは「Umeki Salon Summit」が出来るように

大熊 なるほど。非常に戦略的にコミュニティ運営をされていますね……!最後に、今後の目標を教えてください。


梅木 最近は継続的に会員数が伸び続けているので、しばらくはこのままいこうと思います。ゆくゆくは2015年中目処に会員数を500人ぐらいにはして、「Umeki Salon Summit」を開催し、IVSを駆逐できるようにしたいです。
 ivs
(スタートアップ界隈が一同に会する、Infinity Ventures Summit。公式サイトより)

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はあちゅうさん等、ごく少数しか成功を収めていないネット上のサロンビジネス。そんな中着実に成功に向かっている「Umeki Salon」の戦略の内幕を聞くことが出来、非常に有意義なインタビューとなりました。