朝日新聞と東洋経済、デジタルコンテンツの本格連携へ - MarkeZine

前月の記事ですが、かなり面白い動きです。東洋経済のコアコンテンツ「四季報」のデジタル版を朝日に提供。もともと朝日新聞と東洋経済ってとっても仲がいいんです。
東洋経済朝日新聞
(朝日新聞電子版より引用)

朝日新聞電子版に「東洋経済の眼」なんてコーナーもあります。
ブランドコンテンツ
(東洋経済オンラインより引用)

東洋経済オンラインの「ブランドコンテンツ」では朝日新聞社も取り上げられました。これ、単にメディアで紹介されただけではなく、朝日が東洋経済にお金を払って記事広告にしてもらっているわけです。


「5年後、メディアは稼げるか」でも言われていたことですが、ウェブで有料課金に成功しているメディアは「経済系」や「エリート系」です。金を払ってでも読みたいと思わせるコンテンツは今のところそれだけなのです。広義の経済系に含まれそうですが「IT系」もいけそうですね。

総花的な「日々のニュース」に人々はあまりお金を払ってくれていません。実際、日本のウェブメディアで課金に成功しているのが日経新聞だけです。朝日も電子版で様々な挑戦をして頑張ってはいます。「ラストダンス」で話題を呼び、「吉田調書」のスクープをウェブで先行公開して会員登録に結び付け、若者向けに「withnews」を始めて朝日新聞デジタルに誘導しようとしています。

しかし、これらの努力がどの程度奏功したかは分からないものの2014年6月現在の資料で紙の約750万の読者に対して電子版有料会員は約16万人。その比率はたった2%強でしかないわけです。日経は紙が約290万に対して電子版も35万人以上になり、10%を超えています。ちなみに海外で圧巻なのはNYTで、紙の発行部数は約100万部に対してウェブの有料会員は約80万人(出典:2013 Annual Report)。レベルが違いますね。
有料化を始めたのは日経が2010年、朝日とNYTが2011年でさほど差がないにも関わらずです。

NYタイムズの有料会員数は約80万人、日経は35万人、朝日は16万人 - メディアの輪郭
読売新聞さんや朝日さんが、日経さんに対抗するなら、経済系メディアを押さえないといけません。今後、ダイヤモンドさんがどっちに買われるのか、そういうことですよ(笑)
「ネットはオールドメディアが圧勝」――川上量生ドワンゴ会長インタビュー(上) - ダイヤモンド・オンライン

ドワンゴの川上会長もこういう事を言っています。


大手新聞社にとって、紙メディアの衰退は言うに及ばず、国内の高齢化しきった読者層が人口減少社会の影響をモロに被ることは重大な問題です。
だから本当は大手新聞社こそアジアなどにグローバル展開を強めるべきなのですが、現実にうまく行っているという話を聞きません。アジア全体からすれば日本の全国紙は「地方紙」のようなもので、一部を除いて社会・政治系の記事にニュースバリューはあまりないのです。

一方で、投資やビジネスなど経済系ニュースの価値はより普遍的で、海外でウケる可能性があります。
日経新聞はここでも大手の中で一歩リードしていて、アジア展開を明確に打ち出しています。
日経新聞
(日経新聞社の公式ホームページより)

こうして考えていくと、日経以外の新聞社にとって経済系メディアは喉から手が出るほど欲しいと言えるでしょう。特に、投資にかかわるすべての人の必携書として定着している「会社四季報」と、それをつくる大量の記者を抱えている東洋経済新報社は魅力的に見えます。2012年からは、「中国会社四季報」なるものも登場しました。


以上は朝日新聞など大手新聞社から見た買収の魅力ですが、東洋経済にとってはどう映るのか調べていく必要があります。
ということで、改めて東洋経済新報社の事業構成をざっくり分析し、そちら側の事情を推測してみました。
長くなったので後編に続きます。