こんにちは、大熊です。
かねてから書いてきたとおり、僕は大学4年生ですが就活をせず、来年1月からアメリカの現地新興メディアに取材する準備を進めています。そんな僕が

「ジャーナリスト志望なので新聞社に就職しようと思っています」「何を言っているんだ、お前は」

というイケダハヤトさんの記事について個人的に思うところがあったので、表題について持論を述べます。
 
僕は、人の面白い部分を発掘して伝えること・人と人とを出会わせて面白い化学反応を起こすこと、自分自身が強く発信することが大好きです。それが一生の仕事にできたらベストです。
特に「瀧本哲史ゼミ」で身に着けた投資分析の基礎と徹底的に調べる姿勢を活かし、経済分野で面白いメディアを立ち上げる起業家ジャーナリストになりたいです。

そうした僕は、短期的にこれからのメディア業界で3つの動きが起きると考えています。

まず1つ目は、「新卒でマスコミに入る人材の質の劣化が進む」。僕と同期でクリエイティビティやリーダーシップ、教養に優れた友人は誰もマスコミに入りません。僕よりも読書家であったり書くのが好きな奴でも斜陽なメディア業界を避け外資系コンサルや商社・銀行・保険に流れます。
優秀な人材が集まらないことは大手全体の危機でもある一方、僕個人にとっては活躍できるチャンスが広がっているとも言えます。

2つ目、これが最大ですが、「個人で活躍できないなら決定的にだめになる」
何故ならたぶん、待遇において格差が物凄いことになるから。今は同一の新聞社・出版社なら、イケててもイケてなくても給料はせいぜい倍しか差がつかないでしょう。
しかし例えばコミックの話ですが4000万部売れた「進撃の巨人」の編集を担当した人と、数万部も売れない漫画しかプロデュースできない編集者の能力差は倍では済まないはず。
これまでは40代で日の目を見ることになる往年の編集者なんていっぱいいましたが、今後は減っていくと思います。
なぜならこれまで出版社も新聞社も終身雇用でがっちり守ってじっくり育てられてきたけど、そんな体力はもうないからです。
そして、1万部の作品しか手掛けられない編集者を100人雇うより、1000万部売れる編集者にその100人分の給料を上げたほうが合理的になるので、一流の編集者の待遇はむしろ総じて上がると考えます。

新聞記者にしても同じで、「吉田調書」のようなスクープをとってこられるスター記者もいれば、叩かれてもしょうがないのではと思うような記事しか書けない記者もいて、その差は非常に激しいです。
新聞社には盤石の不動産収入があるといっても、今後15年で世代交代が起きて決定的に新聞が読まれなくなり、経営が傾いたり今の形での「新聞」はなくなる可能性は十分あります。

でも全国紙の新聞社の記者になると、20代の残りの大半を地方で過ごします。
初めにやることは「サツ回り」といって、検察に夜討ち朝駆けして事件報道の情報をとってくる仕事です。
これが「嫌」「ダメ」とは思いません。むしろ取材力をつけるには最適なブートキャンプでしょう。
実際、いま大手新聞社の30代や40代で面白いことが出来ている記者たちは中途を除いてその経験者です。
しかしやはり新聞社で長くやっていくことを前提としているから、下積みを終えたらもう新聞社に余力がなくなっており、既に抱えている一線級の記者以外は切られるという事態は普通に起こり得ます。非常にリスクが高い。

3つ目は、「ネットメディアの質が停滞していた流れが変わる」。主因はスマホの普及に加え、大手から独立してメディアを立てる「起業ジャーナリズム」が日本でも少数ながら起きつつあり、試行錯誤が行われてることです。この変革期の潮流に乗って活躍できれば、個人としても一気に道が開ける可能性が高いです。一番わくわくしているのはこの流れです。

要するに、今後1、2年で自分が携わったメディアをきちんとヒットさせることもできないなら、メディア人としてやっていけないのです。
もうすでに、ネットの世界では「しょうもない記事書いても時給300円」みたいな時代が来ています。いくら表現することが好きでも、僕はそれで食っていこうとは思えません。

だからもしメディアを今後1年間やってみてダメだったら、諦めて事業会社のサラリーマンを目指すつもりです。

しかし実際、いきなりフリーランスで誰にも依らず己のメディアをやっていくぜ!というのも確かに難しいところです。じゃあどうするのか。

僕が出来ることは、「個」として自分のビジョンをぶち上げ、おもしろいことにチャレンジすることで一線級のメディアマンに「こいつは生意気で未熟だけど、投資してやる」と何とか思わせることです。

一流の編集者と一緒に仕事させてもらって鍛えてもらえる環境を自分の手でたぐりよせられれば、新卒で大手の出版社や新聞社に入社してブートキャンプ的に鍛えられる以上の経験とスキルがつくのではないかと考えています。

近いことを実践しているのが、僕のブログでも何回か取り上げてきた「現代ビジネス」編集者の佐藤慶一さんです。grennz.jpでのインターンで優秀なウェブメディア編集者としての素質を開花し、その実績もあって講談社で働いている方です。他人についてあれこれ詮索するのは行儀が悪いですが、佐藤さんが何かメディアをやろうと思ったらついてくる人は沢山いるだろうし、引く手も数多だと思います。

まずは「NYの新興メディア取材・インターンでメディアの未来を探る」という企画を最大限に成功させるべく努力することを進めていきます。来月からはNewsPicks編集部という新しいバイト先に勤めることになったので、そのチャンスもモノにしていきます。