「『無断転載』の何が悪いの?」 「『文章の巧い下手』とかどうでもよすぎてウンコ漏らしそう」-
 
歯に衣着せぬ物言いで毀誉褒貶あるのがプロブロガーのイケダハヤト氏です。
彼の挑戦的な問いかけは、たびたびネット空間での炎上を引き起こします。数えきれないメディア関係者を敵に回す彼にインタビューすることを、正直最初は逡巡しました。
しかし調べれば調べるほど、周囲から様々な反応を引き起こす高い議題設定能力はものすごいのだと思うようになりました。さらに、月間100万前後のページビューを稼ぐブログ「イケハヤ書店」以外にも書籍の執筆、テレビ・ラジオ・イベントの主演、塾の主催などあらゆることに手をだしトライ&エラーを繰り返しているのは歴然とした事実ですし、突き抜けています。

最前線で体を張って挑戦し続けるイケダハヤト氏だけに見えている「メディアの未来」があるのではないか。
そんな思いから、お話を伺ってきました。
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五年後はメディア投資家になっていたい

大熊 いきなり本題に入りますが、イケハヤさんは、書くことだけに限っても通常の記事に加えてブランドコンテンツやったり有料メルマガやったり……今出来ることは何でもやっていますよね。
それでは、五年後には環境はどう変わっていると考えていて、そこでイケハヤさんは何をやってたいですか?

イケダ メディアで稼いでいるのは間違いないですね。まずはブログを続けていきます。1日3時間ぐらい書いていると、月間で20万円程度の収入にはなります。記事はどんどんストックされていきますので急激に収益が落ちることは考えにくい。とはいえもう今後PVが2倍3倍と伸びていくような余地はないんでしょうが、それでいいんです。
余った金で自分が面白いメディアと思うメディアに投資するつもりです。

大熊 投資ですか!自分でやるのが好きなのかな、と思っていました。

イケダ 初めは稼いだお金の余った分を自己投資しようとまずは有料メルマガを作ってみたんですけど、編集者入れようにも僕の色が強くですぎてうまくいかなくて反省したという経緯があります。それに僕ももう五年目でこの業界で別に若くもないので、どんどん下に育ってもらいたいという思いもあります。イケハヤ
(BLOGOSメルマガページ参照)

大熊 「五年後どうなるか」というテーマでしたが、イケハヤさん的にはこれまでのキャリアと同じ分というわけですね。

イケダ そうなりますね(笑)そこで、小粒だけど面白いところの初期段階から関わって、経営陣として一緒に育てていきたいと考えるようになりました。海外ではハフィントンポストがAOLにバイアウトしたのを皮切りに、バイアウトの流れがきています。「三年後に1億とか2億でどっかの企業が買うだろうなあ」というメディアに張って、実際に1つ2つ出てくるといいなと。

大熊 それが可能なら、夢がありますね。小さなメディアに数十万円とかの規模で投資すると何ができるようになるんですか?

イケダ  例えば「ラジおこし」 っていうのがあって、いろんなとこにあったラジオを書き起こす需要をくみ上げているサイトです。昨日の番組を今日書き起こす。出演者にとっても嬉しいサービスだと思うんですよね。今ライター1人でこの仕組みを回していますが、お金があったらもう1人雇えて、ローカルなラジオも書き起こせるかもしれない。この媒体にはラジオ好きがわんさか集まってきますし、ラジオ側がこれをもっと有効活用できるんじゃないかって思います。公式パートナーとして組める可能性だって大いにありますよね。
これに限らず、「医療」とか「観光」など、売却先のイメージがつくところに数百万とか出すと面白いかなと。例えば訪日外国人向け観光メディア「MATCHA」とかですね。まっちゃ
(公式ページ参照)

本気出したら2000万稼げるけど、やらない

大熊 なるほど。「ラジおこし」は直観的に「怒る出演者の人もいたり、著作権的にまずかろう」とも思ったんですが、公式に組んだり、バイアウトするという道筋も確かに描けなくはないですね。
でもブログで数百万、その他出演料とかでもう数百万という収入だと、投資できる規模も数も限られるかなあとは思うんですが、そのあたりはいいんでしょうか。

イケダ 本気出したら年収2000万ぐらいは稼げるんですが、そこまでして稼ぎたくもないんです。僕の事業規模感はこれぐらいで、限界を突破までしてまでやりたくもないということです。

大熊 とても失礼な話をすることになりますが、大学生の僕の友達の中には、「イケハヤさんほどがんばっても年収500万かよ」と捉えてネットメディアで頑張ることに絶望する人もいます。
これが1億円だ、プロ野球選手並みだ、とかだったら、夢もあるから皆目指そうってなるのかもしれないんですが。

イケダ そう見えることもあるんですねえ。労働時間だけで考えると、僕は身体も弱いし育児もあるしで、たぶん普通の会社員より少ないですよ。、そんなかで自分のやりたいようにやってこれだということです。
結果として編集できる人・書ける人・マネタイズできる人もいないというこの業界の人材枯渇感がやばいので全部やっていますが、編集とか収益化は実はそんな得意じゃないんです。超える人はでてきて全然いいですしむしろ出てきてほしいです。 

メディア・メーカーが必要だけどいない

大熊 人材が出てこないのにはやっぱり儲からないという部分も大きいかなと思っていて、特に、プラットフォームを創る人はやっていけるけどコンテンツつくるライターはもう儲からないですよね。北条かやさんの記事にもありましたが、時給150円で買いたたかれたりします。

イケダ それは、よそから仕事もらってるようじゃきついですよ。自分で独立して、自分でやれよっていうのが僕の持論です。ジャーナリストになりたいとかいう学生に会って話したりするんですけど、まず言うのは「自分でやれよ自分のブログで稼げるようになってからいえよ。」なんです。フリーライターって雇われ人材だけど、それで食っていけるのは小田嶋隆さんとかが最後の世代じゃないでしょうか。おだじま
(Google検索より)

大熊 実際やってみれば肌感もわかるし何がウケるか反応ももらえますがなんでみんなやんないんでしょう。

イケダ 編集とライターとの仕事の切り分けを意識レベルで切り分けているんでしょう。あと、矢面に立つことを恐れています。

大熊 それを恐れているようではもはやジャーナリストに向いているのか?という疑問もわきますが……

イケダ 市場は先頭にたってやっていく人を求めてるけど、上にも下にも同世代にもほぼいないんです。、イノベーション起こすようなディア・メーカーがほしいです。お笑いバイラルメディア「CuRAZY」立ち上げた伊藤さんなんかは、いいですよ。彼は一瞬で化けたんです。化けて、そして伸びつづけている。これがメディア・メーカーの面白さです。2か月前の彼とは別人ですね。今や「日本のBuzzfeed」をつくる筆頭候補でしょう。
最初はレイアウトも「これワードプレス感満載だな」みたいな適当さだったんですが(笑)


(様々なマネタイズモデルのあり方、イケハヤさんが今取り組んでいるものに触れた後編に続く。)