こんにちは。「デジタルジャーナリズムの大変革を体感するため、アメリカの現地企業に取材留学をする」という計画を進めているくまりんです。今日は進捗報告を行います。
具体的に何をするのか
報告に入る前に簡単にもう少し説明しておきましょう。
僕の計画は、アメリカ現地の
①大手から独立してできた新興メディア企業を中心に、
②大手新聞社/出版社の中で電子版の取り組みがめざましい企業
③メディア領域に進出している、IT大企業
④デジタルジャーナリズムを教えている教育機関
にアポをとり、名物記者や編集者に数時間もらって「デジタルジャーナリズムに対してどういうビジョンを持っているのか?」をインタビューしたり、可能であれば短期の無給インターンや研修への参加をさせてもらう、というものです。
訪問予定企業(や教育機関)は現在ざっと挙げただけで30以上ですが、来年1月に乗りこむまでにはもっと増えているはずです。
僕の計画は、アメリカ現地の
①大手から独立してできた新興メディア企業を中心に、
②大手新聞社/出版社の中で電子版の取り組みがめざましい企業
③メディア領域に進出している、IT大企業
④デジタルジャーナリズムを教えている教育機関
にアポをとり、名物記者や編集者に数時間もらって「デジタルジャーナリズムに対してどういうビジョンを持っているのか?」をインタビューしたり、可能であれば短期の無給インターンや研修への参加をさせてもらう、というものです。
訪問予定企業(や教育機関)は現在ざっと挙げただけで30以上ですが、来年1月に乗りこむまでにはもっと増えているはずです。
・「デジタルファースト」全米2位の新聞社の戦略はなぜ頓挫したか(新聞紙学的)
などのニュースからもわかるように、アメリカのデジタルジャーナリズム業界は日々プレーヤーが移り変わっているからです。これが、現地で直接そのスピード感をみたい理由でもあります。
さて、やりたいことは明確に決まっているものの、「どうやってアポをとればいいのだろう」というのが悩みの種でした。
僕がいくら意識を高めようと、所詮どこの馬の骨とも知れない、日本人の学生です。そんな奴に、目まぐるしい変化の中にいるウェブ編集者達がかまってくれるのか。そして、大事なことをしゃべってくれるのか。
ところが実際にやってみると、少なくとも前者については杞憂なことが分かりました。
Upworthyはいわゆる「バイラルメディア」:貧困問題などでFacebookでよくシェアされるコンテンツを配信しているメディアで、できてからまだ2年ほどしか経っていません。
・アップワーシー、立ち上げ2年経たずに月間訪問数8900万人を突破(メディアの輪郭)
「Contact Us」のページも、どこか気楽に連絡できそうな雰囲気をまとっています。
ということで拙い英文を書き、Weblio辞書でなおしては書き、を繰り返して「来年1~3月の間で数時間インタビューできる時間はありますか?」との旨を送りました。
すると、たった3時間で返信が!
などのニュースからもわかるように、アメリカのデジタルジャーナリズム業界は日々プレーヤーが移り変わっているからです。これが、現地で直接そのスピード感をみたい理由でもあります。
さて、やりたいことは明確に決まっているものの、「どうやってアポをとればいいのだろう」というのが悩みの種でした。
僕がいくら意識を高めようと、所詮どこの馬の骨とも知れない、日本人の学生です。そんな奴に、目まぐるしい変化の中にいるウェブ編集者達がかまってくれるのか。そして、大事なことをしゃべってくれるのか。
ところが実際にやってみると、少なくとも前者については杞憂なことが分かりました。
メールを出すと予想以上の反応が
まず僕は「できたばかりのメディアはより多くの広報を求めているだろう。『デジタルジャーナリストを志す日本人です、日本でも御メディアを広めたいので、ぜひ取材させてください!』と訴えかければ響くものがあるのでは?」と思って、Upworthyというメディアに目をつけました。Upworthyはいわゆる「バイラルメディア」:貧困問題などでFacebookでよくシェアされるコンテンツを配信しているメディアで、できてからまだ2年ほどしか経っていません。
・アップワーシー、立ち上げ2年経たずに月間訪問数8900万人を突破(メディアの輪郭)
「Contact Us」のページも、どこか気楽に連絡できそうな雰囲気をまとっています。
ということで拙い英文を書き、Weblio辞書でなおしては書き、を繰り返して「来年1~3月の間で数時間インタビューできる時間はありますか?」との旨を送りました。
すると、たった3時間で返信が!
かまいませんよ。ただ、流石にまだ2015年のカレンダーは買ってないから、また年末までに連絡をくださいね(要約)
と、きわめてフランクなノリで応じていただけました。
これで調子づき、今度は、「バイラルメディア」とは逆の動き、すなわちデジタルで長文の骨太の記事を配信する試みを続ける「Narratively」というメディアにFacebookからメッセージを送ったところ、これも快諾。1日インターンができないかどうかの交渉を続けています。
さらには、ニューヨーク市立大学で"Entrepreneurial Journalism"を教えるJeremy Caplan氏のアポイントも取れました。Caplanは昨年末早稲田大学で講演も行っています。
・デジタルジャーナリズム時代の、5つの教訓(東洋経済オンライン)
彼自身が講義を受け持つ、TOW-KNIGHT CENTER FOR ENTREPRENEURIAL JOURNALISM
というプログラムにもぜひ応募してはどうか?との誘いも受けました。
これは世界中から「ジャーナリズムで起業したい」という志を持つ人が集まって5か月間学ぶプログラムで、月水に一日中講義・金曜には実際にスタートアップに見学に行くという濃密な内容に以前から目はつけていました。
週3回講義のため取材と両立しうるし、ビザを取るうえでも有利(今のところ、現地の語学学校に通って就学ビザをとるつもり)なのでチャレンジするつもりです。倍率は非常に高いそうですが。
ということで、アポをとることに関してはこちらがとにかく積極的に情熱を見せれば何とかなるところが多いのでは、という感触を得ました。もちろんそれだけではうまくいかないところもあるでしょうから、もっと頭を使って相手に受け入れられる頼み方を練ります。
あとはひたすら下準備
もう1つの不安点、「行っても、大事なことをしゃべってくれるのか」について。もし通り一遍のことしか聞けないのであれば、現地に行く意味は大分薄れます。
先ほどから多数引用している「メディアの輪郭」や「新聞紙学的」など、現地企業の動向を伝える媒体はあるし、
・"デジタルメディア"を知るために必読の海外メディア11選(メディアの輪郭)
参考にできる海外サイトもあります。ここに書かれていること以上の情報を自ら得るためには、僕自身のデジタルジャーナリズムに対する理解、対象企業への理解の度合いをぐっと引き上げる必要があります。
「ジャーナリズムの未来はどうなると思いますか?」
と聞くより、
「あなたのメディアはバイラルメディアで収益の90%をあげていますが、その利益を回して調査報道にも取り組んでおられます。両者のシナジーは例えば貧困報道といった点においてどういったものがありますか?また、これした戦略をとる背景にはジャーナリズムの未来をどう考え、どうしたいといった思いがあるのですか?」
と聞いた方が具体的な話が返ってくることでしょう。(もちろんまだ後者のレベルでもざっくりしすぎていますが。)
僕が投資分析をするときも、IR(上場企業の株主への広報担当)への取材でいかに言質をとるかの勝負になることが大半でしたが、当然ながら確たる仮説と知識を持って聞くのとそうでないのとでは得られる情報量が段違いでした。
そのためにも日本でできる準備、すなわちジャーナリズムの体系的な勉強と、日本人ジャーナリスト/ジャーナリズム機関への取材を時間を見つけては続けていこうと思います。
来週は、メディア・アクティビストの津田大介さんを取材させていただきます。